にこちゃんでんでんーASDと気楽に歩くー

ASD傾向のある息子にこちゃんと一緒に成長したい私。

本気でおすすめしたいABAのこと

 

ご機嫌いかがでしょうか。

今回はこのブログを始めた理由の一つと言っても過言ではない、それくらいお勧めしたい本のご紹介です。

一般的には一歳代でもかんたんなやり取りや意思疎通が可能な子が多いようですが、息子はそうではありませんでした。やり取りが成立しないのに、育児書などの「そろそろしつけを」という表現に私は悩まされていました。

私は「人は生まれたらまずこの世を好きになることが大切なのでは?」と思っていました。「ここで生きたい」と思えるからこそ、その後の困難に立ち向かおうと思えるのだと思います。そして息子の特性を知り否定せず接するのが良いと教わり、まずは楽しく過ごさせてあげていいんだ、となんだか安心したのを覚えています。

初めはそれでも解らないことばかりでよく先生に相談していましたが、色々調べる中である本に出会いました。佐久間徹著「広汎性発達障害児への応用行動分析(フリーオペラント法)」石原幸子 佐久間徹著「発達障害児の言語獲得 応用行動分析的支援(フリーオペラント法)」 応用行動分析とは「ABA」と呼ばれ、行動の前後に着目し環境を工夫することでその行動を望ましい形に変えていくと言う考え方です。

この本では佐久間先生の長年の児童発達の経験・知識、そして考案されたフリーオペラント法の考え方と実践等が紹介されています。私はこの本を読んで本当に沢山の学びがありました。育児に対する考え方の根っこが作られ、自分で考えて方針を決めていけるようになりました。

ABAをご存じでしょうか。

応用行動分析(Applied Behavior Analysis)と呼ばれ、様々な分野で活用されています。

このブログを読んでくださっている方なら、ご存知の方も多いのかもしれませんね。

行動の前後に着目して、望ましい行動を増やし望ましくない行動は減らす為の環境・対応を用意する。

かなりざっくりした説明ですが、ABAの基本はこの考え方です。

現在、児童発達支援などの場でABAを取り入れているところは沢山あります。と言うより、支援の一つとして問題行動の対処など行動変容が関連している以上、ABAという言葉での説明がなくとも、その考え方が無くては成立しないのではないでしょうか。

 

当初、週40時間かけて行われていたABAセラピーですが、現在アメリカでは週20時間程度がスタンダードになりつつある、と聞きます。絵カードを使って行われるものもあります。

フリーオペラント法は、家庭での対応も重視しますが絵カード等は必要ありません。そしてセラピー自体は週1時間でも効果があるそう。

どうでしょうか、ここまで効果的なフリーオペラント法、興味が湧きませんか?

 

ABAフリーオペラント法

ここで素人の私が、フリーオペラント法に関して説明してしまうのは誤解を避ける為にも控えるべきと考えます。

先生ご自身ですら、本の出版に対しては慎重だったのです。それは「誤った伝わり方で被害を受けるのは子供達」だという事。

少しだけ説明するなら、「ことばは強い自己主張に駆動されて発達するものだ」という考え方です。しつけや我慢を覚える事は後回しにして、子供の「要求を主張する力」を伸ばしていくイメージです。

子供のおかれた状況や心理を広い視野で捉え、当事者に本当に必要なことについて書かれている本書は、ASDの子を持つ親として大変勉強になりました。

特に、お子さんの発語に関して悩んでおられる方には是非一度手に取って欲しいと思います。「発達障害児の言語獲得」のタイトルにあるように、言葉の遅れに対する対応と考え方が学べます。

ただ、少しだけ専門用語が出てきます。私はたまたま「ABAの基礎知識」的な本を読んだ後だったのですが、それで理解できる範囲なので、ABAに関するサイトなどで少し情報に触れておく事をお勧めします。

 

ABAで目指すものは何か

育児でABAの考え方を取り入れようとした時、目的は何でしょうか。

専門家では無いはずの保護者がABAの情報まで辿り着いた時点で、お子さんとの関わりに何らかの困りごとが生じているのではないでしょうか。

癇癪がひどい、やりとりが成立しない、言う事を聞いてくれない……毎日疲れ果てていらっしゃる事でしょう。

そもそも、幼児期の育児の目的はなんでしょうか。

身辺自立や言葉の育ちなど、周囲からのプレッシャーで早く身につけて欲しいと感じることもあると思います。

発達障害を抱えている、または疑いがあるお子さんを育てている親御さんは、大変な日々を過ごしています。その大変さの軽減を願うのも当然の事です。

ここでその「大変」の正体について切り分けて考えたいのですが、実は環境や親への理解・支援さえあれば、かなりの大変さがなくなるのではないでしょうか。

周りから「まだ喋らないの」と言われる。園から「家庭での指導を」と言われる。協力者がいない。これらも本当に辛い問題で解決すべきことではありますが、こういった周囲からの圧力を取り除いた時、当事者である子供に必要なことが見えてきます。

 

それが本人の困り感、そして日常生活をおくる上での困難さですね。

ここで必要なのは、言われた通りに我慢できる事でしょうか。

場面に合った挨拶や言葉使いを一つ一つ暗記し、正確に再現出来る事でしょうか。

現行のABAセラピーでも、そこに注力して進める所はあるようです。

まず親の疲弊の原因を取り除いたり、生活を作る上でそれも必要な事です。

ただ、漫画でも描きましたが私はその前の「土台」こそ幼児期の育児には必要ではないかと思います。

人と関わること、話すこと、生きる楽しさ、興味や疑問を持ち知りたいと思うこと、これら全てが本人の強い「要求」から発生することが望ましく、またそうでなければ生きていく力が育たないのです。

たとえば挨拶ひとつとっても、場面や相手によって内容も言い方も違いますよね。朝はおはようございます、夜ならこんばんは。これが職場の上司ならお疲れ様です、になることもあるし、親にお疲れ様です、と挨拶することはあまりありませんね。

こんな事を一つ一つ教えるなんて出来るのでしょうか。実際に、今お子さんに対してそういった取り組みをされている方もいらっしゃるかもしれません。幼いうちはまだなんとかなるかもしれません。けれど、お子さんの世界が広がり、関わる人が増えるなかで全てを教えられるでしょうか。

今現在、子供の為に日々一生懸命取り組んでいる親御さんを否定したい訳ではありません。この本を読む事で、ご自身の頑張りを否定された気持ちになる方もいらっしゃるかもしれませんが、決してフリーオペラント法で育児をすべき、とお伝えしたい訳ではないのです。

ただ、育児をする上での考え方としてだけでも、この本は一読する価値があると思います。現代の育児、子供に求めるものが多すぎやしませんか。そしてその全てを親の責任にし過ぎではありませんか。その風潮に親は悩まされ、疲弊しています。周囲のプレッシャーから、ルールを守る事や周りに合わせる事をまず子供に教えなければならなくなる。子供にとって本当に必要な事は何でしょうか。

その疑問に答えてくれる本です。

 

お子さんの個性も、そして親御さんの個性もそれぞれです。やり方が合う・合わないがあるでしょう。

本を読むだけで全て解決、なんて事もありません。でもだからこそ、先の見えない育児の中で、指針となる本に出会えた事に、私は感謝しています。

 

困りごとを抱えているお子さん、いいえ全ての子供にとって必要なのは「言うことを聞ける」ことではなく、「本人の持っている興味・関心を伸ばし要求を正しく引き出すこと」であり、その延長上に人との関わりや社会性の学びがあると思います。

その手助けをすることこそ、大人の役割ではないでしょうか。

フリーオペラント法は、必ずその一助になると思います。

 

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